Rin

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Wednesday, June 16, 2010

ミルクの香り

6月のはじめ、大好きな友達の赤ちゃんに会う為、長崎を訪れた。

私達は生まれたばかりの頃はとても聡明で、
どうして生まれてきたか、とか、
そんな難しい質問にさえ、さらっと答えられるくらい、
色んなことを分かっているんだと思う。

ただ、話す言葉を知らないだけ。

でも大切なことというのは、本当は、
言葉にならないものばかりなんじゃないかとも思う。

赤ちゃんをだっこしたり、
まんまるな大きな目を見ていると、
私の方がよっぽど未熟なのだと痛感した。

私達は成長しながら、言葉を覚えたり様々な経験を積む代わりに、
だんだん忘れてしまうけれど、
また、人生の終わりの頃になってそれが何だったのかを思い出すの。
だけどやっぱり、
それは言葉にならないもので、
だから、誰かに伝えるのは難しくて、
それぞれが、
自分だけで解っていくしかないことだと思う。

老人が多くを語らないのはそういうことだと、
95歳の祖父を見ていて思ったりする。

祖父は色んなことをよく話してくれるけれど、
若い私に伝えたいことがあるのに、うまく言えない、
私は祖父の中にそんなもどかしさを感じ、
遥かな道のりを歩いてきた祖父に聞きたいことがあるのに、うまく聞けない、
私もいつでもそのどかしさをかかえている。

答えが言葉にならないものならば、
その質問もまた、言葉にならないものかもしれない。

”あの感覚”といえば解り合えることが、この世に存在するように、
お互いが静かに共有する何かであってほしい。

赤ちゃんを抱きしめると、ミルクの香りがする。
そして祖父を抱きしめた時にも、私は同じ香りを感じた。

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